今時の車はスマートキーで鍵を取り出さずにドアを開け閉めできて、エンジンをスタートできる。その時、もちろん鞄の中だ。しかし、いざ家に入ろうとするとわざわざ鞄の奥底にしまわれている鍵を探し出して細い鍵穴に鍵を差して解錠しなければいけない。
作業時間としては10秒ほどだが毎日それを繰り返すとなると苦痛になる。私が通勤で持ち歩いている鞄はノートPCも入っているため重く持ち替えるのも一苦労。
そんな些細な不満を解消するため、スマートロックのSESAMI4を導入してみたのでレビューしたいと思う。
本体と別にWi-Fiモジュールも購入したのでその使用感もお伝えできれば。
スマートロックとは
そもそもスマートロックとは何の事かというと、既存の鍵の上に装置を取り付けスマートフォンやスマートウォッチ、インターネット等から操作できるようにする装置の事である。
有名どころの製品だと今回購入したCANDY HOUSEのSESAME4の他にQrioのQrio Lockやswitchbot スマートロック がある。今時の新築だと遠隔で操作するタイプではないが、車と同じくスマートキーを持っていると鍵を取り出さずに解錠できるようなドアがあったりする。
CANDY HOUSE SESAME4
数あるスマートロックの中でもSESAMI4はかなり安価なスマートロックとなっている。自宅の鍵にうまく設置できなかったり、接続速度に不満があって使わなくなったとしてもそこまで懐のダメージは少ない。
パッケージ
私はCANDY HOUSEの公式から購入したが、発送は注文した当日中。翌日には到着した。
宅配は宅配便コンパクトで送付されており送料が安く抑えられている。
私が購入したのはSESAMI4本体とWi-Fiモジュール。どちらもかなり簡素な箱に入っているが、この手の製品は一度設置したら箱にしまうことはないので簡素な箱で十分。これで費用が抑えられるなら大歓迎。
SESAMI4本体
箱の中身も必要最低限で本体、説明書、高さ調整のための金具、予備の両面テープ、ドライバーだ。
本体はプラスチックで作られており、ブラック一色。高級感は無いかな。
側面はこんな感じ。
本体裏面はこんな感じ。丸の中の「つまみ」を既存の鍵のサムターンに合わせる。このサムターンに挟む部分はこれよりも狭くすることはできないので、細いサムターンだとかなり余裕ができる。
電池はCR123Aが2本必要。Qrio Lockはバックアップで電池が4本入っており、バッテリーが切れてもバックアップがあるから安心といった仕組みになっているが、SESAMIはそんなことなく、切れたらその時点で使えなくなってしまう。
一応スマホのアプリからバッテリーの残量がわかるようになっているが、どうやら急激に減ってあまり信用できないらしい・・・
バックアップ電池を積めるようにするとその分コストが嵩んでしまうが、本当は鍵周りは安心を取りたいところ。。
電池の裏蓋にはちゃんと技適マークが記載されている。スマートロックはBluetoothや無線で通信を行うので日本で使う場合は技適が必須。
技適番号を検索するとしっかりと登録が出てくるので中華製品でよくある偽物の番号が記載されていることはない。
設置してみる
うちのドアの鍵はMIWAのTE-01という型番の鍵で、サムターンがドアからあまり高さが無いタイプの鍵となっている。
サムターンが高い場合はSESAMIの高さ調節の台座を取り付ける必要があるが、サムターンの高さがない場合は逆につまみの高さを高くしてやる必要がある。
うちの鍵の場合は限界まで高くする必要がある。この高さ調節はネジが小さく正直少しめんどくさい。
つまみを調整したら両面テープを剥がして強く押しつけたら設置完了。
つまみの部分は上下左右に動くようになっていて、サムターンのちょうど真ん中で固定されず大丈夫かな?と思っていたが、動作には問題なさそう。ただ、つまみが動くせいで鍵を手動で閉める時に固くなったり柔らかかくなったりする。
うちの鍵はサムターンが細いのでつまみとの隙間がかなりある。ただ、隙間がある状態でも特に問題なく動作している。
ちょっとこの辺りは不安になるので説明書につまみの部分は上下左右に動くが問題ない旨が書いてあったら良いのになとは思った。私の場合は特に問題なく取り付けができたので頼んではないが、どうやらサポートに連絡するとアタッチメントを作ってくれるらしい。
設定してみる
設定はめちゃくちゃ簡単。まずはSESAMIのアプリをダウンロードする。
ダウンロードして起動すると右上に+ボタンが表示されるので、新規デバイスをタップする。
すると近くのSESAMIが表示される。ここで注意なのが他の端末とすでにペアリングをしてしまったセサミは表示されない。
SESAMIをタップすると角度の設定の画面が出る。鍵が解錠しているときに緑のアイコン(解錠の位置を固定する)をタップし、施錠しているときに赤のアイコン(施錠の位置を固定する)をタップするとどの位置で解錠/施錠すればいいのかをSESAMIが記憶する。これをやればもう設定完了で使いだすことができる。
めちゃくちゃ簡単。この手の電子機器に疎い人でもちゃんと使えるように設計されていると思う。
Wi-Fiモジュール
SESAMIと一緒に購入したWi-Fiモジュールがこちら。このWi-FiモジュールがあるとSESAMIを外出先(Bluetooth圏外)から操作することができる。そのため、Bluetoothがギリギリ届かないと言った場所からでも快適にSESAMIを操作できるようになるのではと思い購入。
このモジュールはBluetoothでSESAMIと常時接続し、Wi-Fi経由でインターネットに接続するようだ。
USB-Aで接続できるので昔のiPhoneの充電アダプターなどと組み合わせて使うことになる。
注意点としてはSESAMIとBluetoothで接続できる範囲内に設置する必要がある。
実際に使ってみて
この記事を執筆している時点で取り付けてから2週間ほどが経過しているが、取り付けてからは鍵を鍵穴に挿すことは無くなった。
具体的な使用感について書いていきたいと思う。
接続の安定感
安定感は、まあそこそこという感じ。そこそこと評価した部分としては、Bluetoothが届くか届かないかのタイミングでアプリを起動するとなかなかSESAMIと繋がらず待たされることがある。
Bluetoothが接続されているとアプリの認識も早くアプリを立ち上げればすぐ鍵の操作をすることができる。
Wi-Fiモジュールがあればインターネットに常時繋がっているから待ち時間がないのかな?と思ったのだが、どうやらBluetoothをつかむときはそちらの情報が優先されるっぽい。そのため、外から帰ってくるときはBluetoothの圏外でアプリを開いてやり、解錠するとスムーズに行える。
私は基本的にはApple WatchでSESAMIを操作しているが、このアプリが少しSESAMIの状況を反映するのが遅く、SESAMIの状況が正確に反映される前に解錠/施錠のアイコンをタップするとうまく動いているのか動いていないのかがわからず、解錠/施錠を繰り返してしまうことがある。
そのため私はこのアプリを使用せずに、iOSのショートカットを利用して操作している。ショートカットを利用すると解錠と施錠をそれぞれ分けて操作できるので、間違って解錠/施錠を繰り返すことがなくなる。
ショートカットを利用した操作は少し時間がかかってしまうが、鍵を鞄から取り出して操作する煩わしさと比べるとその時間は些細な問題だ。
Wi-Fiモジュールについて
Wi-FiモジュールとSESAMIを連携させることで外から鍵の開け閉めをしたり、鍵が開いたタイミングで通知を出すようにできる。
正直SESAMIはWi-Fiモジュールありきの製品なのかなと私は感じている。確かに無くてもBluetoothである程度操作はできるが、外出先からあれ?玄関のドア閉めたっけ?といったスマートロックの真骨頂の動作はWi-Fiモジュールが無いと実現できないし、外だとBluetoothが届いたり届かなかったりして接続が安定しないことがあるのでWi-Fiモジュールは必須。もし在庫があればSESAMI本体と同時に購入することを強くお勧めしておく。
音について
SESAMIの動作音についてレビューで結構うるさいと書かれているが、私にとってはこれはあまり問題にはならなかった。そもそも玄関ドアを開け閉めするのに多少の音がするし、そもそも玄関と普段生活をしているリビングや部屋から距離が離れているため、SESAMIの音がうるさい!といった印象は受けなかった。
音について捉える印象は人それぞれだとは思うが、音のせいで使いたくなくなると思うほどの大きさではないかな。
家族の反応
SESAMIの鍵は家族にも共有することができる。うちは妻もiPhoneを使用しているので妻にもSESAMIの鍵を共有しているが、SESAMIを導入してからは妻も物理キーを使用することは無くなったみたい。なかなか便利だと好評だ。
うちはまだ子供が小さいが、妻は帰宅時は車の中で鍵をスマホで開けてから子供を抱っこして玄関の扉を開けている。このように、子供がまだ小さい家庭はワンオペだと子供を抱っこしながら鍵を開けるか、子供を車に残して鍵だけ先に開けに行かないといけないが、SESAMIを導入すると先に車の中から鍵を開けることができるのでなおのこと便利だ。
ちなみに、ショートカットを利用すると車のCarPlayのSiriから鍵を開けることも可能。
ちょっと困ったこと
SESAMIは一度アプリを削除して再登録をしようとすると、本体のリセットが必要となる。これは他人に勝手に自宅のSESAMIを登録できないようにする対策だとは思うが、そのリセットボタンがめちゃめちゃ小さい。
クリップを使えばリセットボタンを押すことができるが、我が家はクリップをほとんど使わないので在庫がなく、リセットできずに困った。結果、使っているクリップを分解してリセットはできたが、ここまでリセットボタンの穴を小さくしなくてもいいのでは?とは思った。
まとめ
○良いところ
- スマートロックにしては安価に導入できる
- 設定が簡単で初心者でも設置可能
- 製品としての安定性は高く、鍵をカバンから取り出さなくて良くなった
×微妙なところ
- Bluetoothの接続が切れるか切れないかのところだと認識が遅くなる。
安価に導入できるスマートロックとしては安定性も高く、値段とクオリティのバランスがかなり良い製品ではないだろうか。
個人的にはもう少しアプリの安定性、接続のスピード向上がなされればよいかなとは思うが、現状でも大きな不満なく使用し続けることができている。
スマートロックを導入するにしても値段がなぁ、と思っている人、SESAMI4なら1万以下で導入できますよ。
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